ジブンライフ

「自分らしい人生」や「経営」をテーマに理論や知識について書いてます。

人生の決断をするときには「理論」を使うとうまくいく

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人生の重要な決断をするときに、過去の事例や他人の経験を参考してくだせばいいと考える人は多いだろう。

確かに過去は非常に重要で、できる限り多くのことを学んでおくべきではある。自分が将来立ち向かうであろう問題を経験した人たちから学ぶことは多い。

しかし、本当にそれだけでいいのだろうか

過去は過去であり、未来の展望はわからないし、全ての過去の経験が自分に適用されるとは限らない。

 
ハーバード・ビジネス・スクールの看板教授であるクレイトン・M・クリステンセン教授は「確かな理論を使ってこれから起きることを予測できれば、成功するチャンスを格段に高められる*1」と述べている。

理論は過去の成功法則とは違い、それぞれの人生の問題に対してどう考えるべきかを示してくれるのだ。

今回は経営学の理論をもとに人生をどう生きるべきかを書いた、彼の著書「イノベーション・オブ・ライフ」をもとに、人生の決断には理論を使うべきであるということをお話しする。

なぜ人生の決断で理論を使うべきなのか

自分で結論を出すことができる

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過去の経験からはすでに決断され、それによってもたらされた結果がわかる。

言い方を変えれば、過去の経験は「こうするべきである」というメッセージをもたらしてくれる。

一方で理論は決断をするためのツールであり、未来を予測することはできても、結果がわかるというわけではない。

つまり理論は「こうするべきである」ではなく「こう考えるべきである」というメッセージをもっているということだ。

両者の間で何が大きく違うのかというと、結論を導き出すのが他人か自分かという点である。

わたしは「何を考えるべきか」ではなく、「どう考えるべきか」を示した。その結果、彼は自分が正しいと考える大胆な決断を、自力で下すに至ったのだ*2

経験だけでは学べないときがある

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当たり前だが、人生は多種多様であり、一概に過去の経験を自分に当てはめるわけにはいかない。最終的には自分に合った決断を自分でしなければならないだろう。

確かに経験や情報から多く学べることもたくさんあるが、人生には経験だけでは学べないときもある。

経験や情報から多く学べることもあるが、実際の話、人生には経験をとおして学ぶことが許されない状況が多々ある。
よい伴侶になるために何度も結婚しようという人はいないし、子育てをマスターするのに、末の子が大きくなるまで待とうという人もいない。そんなとき、理論がとても役立つ。何かを経験する前に、これから起きることを説明してくれるのだから*3

実際に経験をしたり、他の人の経験を知っただけではカバーできない点を理論は補ってくれるということだろう。他人の経験では、あなたにしか起こりえない未来を予測してくれるということはない。

優れた理論は臨機応変である

クレイトン・M・クリステンセン教授は理論について以下のように述べている。

優れた理論は「気が変わる」ことがない。一部の企業や人だけにあてはまり、ほかにあてはまらないということはない。理論とは「何が、何を、なぜ引き起こすのか」を説明する、一般的な言明だ*4

つまり、理論は多くのパターンに対応してくれるということである。

何度か繰り返しているが、人生は人それぞれ様々な点で異なっている。過去の経験を自分に完全に当てはめようとするのは無理のあることだろう。

しかし理論ならば、そんなたくさんの人生1つ1つに適用することができる。それが理論の優れている点だという。

人生の決断に理論は役立つが……

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以上が、人生の決断には理論が役立つという主張を簡潔にまとめたものである。

一方で、著者は理論よりも「簡単な解決策」のほうが世間一般に広まっていることに問題意識を抱いている。

簡単な解決策は、とてつもなく魅力的だ。大金を稼ぐための確実なステップであれ、幸せな結婚生活を送る四つの秘訣であれ、効果があると信じたいのはやまやまだ。
しかし世間一般に広まっている方法のほとんどは、せいぜいいくつかの事例を根拠にしているに過ぎない。人生の難問に答えを出すには、「何が、何を引き起こすか」を深く理解することが欠かせない*5

要するに、理論よりもすぐにできる秘訣のほうが人気だということだ

本書によれば「簡単な解決策」のほうが、あまり考える必要がないし文字通り「簡単」であるが、それはいくつかの経験をもとにしたものでしかないため、「何が、何を引き起こすか」という根本的な問題を理解するべきだという。

いわゆる専門家たちの多くは、いきなり答えを与えてくれるのだ。こういう答えに魅力を感じる人が多いのも無理はない。なにしろ困難な問題、一生かけても答えが出ないような難題に、手っ取り早い解決策を提供してくれるのだから。
本書がめざすのは、そんなものではない。人生の根源的な問題を手軽に解決する方法など存在しない。だがわたしに与えられるものがある。それは、人生の状況に応じて懸命な選択をする手助けとなるツールだ。本書ではこれを理論と呼ぶ*6

残念ながら、理論は手軽な解決方法を提供してはくれない。それでも著者が理論で人生の決断をするべきだと主張するのは、「人生はそんなに甘くない」からであるといえるだろう。

過去の経験や簡単な解決策を軽視するべきではない

本書では過去の経験や簡単な解決策よりも理論を勧めているが、両者を完全に否定しているわけではない。

ぼく自身もこれらを軽視するべきだとは思わない。

特に、さきほど「よい伴侶になるために何度も結婚しようという人はいないし」という一文が出てきた。これは一方で「何度も結婚できないからこそ、他の人の結婚の経験を聞いてまわるべき」といえるのではないか。

何度も経験できることではないから、経験は役立たないということはなく、何度も経験できないからこそ他人の経験が役立つともいえる。

まとめ

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  • 人生の決断をするときには理論が役立つ
  • 理論は「自分で」結論を出すための考え方を教えてくれる
  • 経験だけでは学べないことを理論では知ることができる
  • 理論はあらゆる企業や人に応用することができる
  • 人生に決断においては理論よりも「簡単な解決策」が好まれがちである
  • 「簡単な解決策」を軽視するべきではないが、それだけで解決できるほど上手くはいかない

人生の決断に理論を使うべき理由はわかっていただけただろうか。

今回は、本書の第1章の内容を紹介した。第2章以降から、具体的な理論をどう人生に活かしていくのか説明している。

今後も「イノベーション・オブ・ライフ」の紹介を続けていく予定なので、更新でき次第この記事にも続編のリンクを貼る予定である。

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*1:クレイトン・M・クリステンセン(2012)『イノベーション・オブ・ライフ』翔泳社 p.19

*2:同上 p.13

*3:同上 p.16

*4:同上 p.14

*5:同上 p.18

*6:同上 p.11

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