目標設定の秘訣はできるかできないか微妙な難易度にすること
目標を高く設定しすぎてまったく達成できなかったり、低くしすぎて予定よりも早く設定してしまったりしている場合、目標の効果を存分に発揮できているとはいえません。
目標設定の秘訣は、できるかできないかわからないようなぎりぎりの難易度にすることです。
モチベーションの観点から目標について考えたとき、なぜ上記のような目標設定が好ましいかについて説明していきましょう。
目標はモチベーションを生み出す
アメリカの心理学者ロックが提唱した目標設定理論というものがあります。
目標設定理論とは、目標という要因に着目して、モチベーションに及ぼす効果を探ることを目指した理論のことを言う*1。
この理論の以上の定義から、目標がモチベーションに影響を与えることがわかりますよね。
何のために目標を定めるかというのは人によって色々あるかもしれませんが、代表的な効果としてモチベーションを高めるというものがあげられるのです。
つまり、モチベーションが最大限に高まるように目標は設定するべきということになります。
「目標は高いほど燃える」は一般的
目標は高く持つべきだとといいますが、考え方としては決して間違っていません。
目標に関する理論として「目標設定理論」のほかに、心理学者アトキンソンの提唱した「達成動機理論」というものがあるのですが、どちらの理論とも「簡単な目標よりも高めの目標の方がいいよね」という意見を持っています。
しかし、高すぎる目標に関しては意見が分かれ、目標設定理論の場合、自分の能力では達成できないような高い目標であっても能力の限界を超えて人は伸びると主張し、達成動機理論は高すぎるとよくないよねと主張しているのです。
目標を低めよりも高めに設定するべきというのは、2つの理論が示すように多くの人が納得できる主張で、「じゃあどれくらいの高さがいいの?」というのが焦点になるでしょう。
次にぼくの意見である「目標はできるかできないかギリギリの高さがいい」ということについて説明していきます。
目標達成を信じ続けられるだろうか
モチベーションを高める手段としての目標は、その目標が達成できると思えなくなった時点で意味を失います。
例えば、マラソンで1位という目標を立てていて、ゴール直前に100位だったら基本的にその人は1位になれるとは思わなくなり、1位になるという目標によるモチベーションは失われますよね。
ブログで月間10万PVという目標を立てたのに、25日の時点で1万PVだったら、「10万PVいける……!」とモチベーションを維持することはできません。
高すぎる目標を設定し、自分がそれを達成できると信じられなくなった時点でその目標は形骸化します。モチベーションを高めてくれないただのお飾りになってしまうのです。
だからこそ、ぼくは基本的に目標はできるかできないかギリギリの高さにするべきだと主張しています。
次のマラソンでの順位は10位くらいだと思ったら9位を目標にしましょう。練習のモチベーションも上がるでしょうし、ゴール直前に10位で目の前に9位の選手がいればモチベーションは最高に高まるでしょう。
ブログで月間10万PVを目標にして、25日の時点で8万PVだったら、「ちょっとなにか工夫をすれば10万いくかも!」とモチベーションが上がるかもと考えられます。
目標を達成できると信じ続けている間は、その達成に向けてモチベーションが高まるのです。一方、信じ続けられなくなった時点でモチベーションの向上は望めません。
目標を再設定するという手段もなくはありませんが、最初に定めた目標を達成できるほうが好ましいものです。
信じ続けられるなら高い目標でもいい
逆に言えば、目標達成を信じ続けられるのならどんなに高い目標でも構わないということになります。
よく幼い頃からプロスポーツ選手になると目標を掲げ、見事に達成したという話を聞きますよね。あれは周りの人は無理だろと思っていても、本人だけは頑なに目標を達成できると信じているものです。
長期的な目標であれば、他の人から見たとき無謀であるようにみえる目標を掲げてもいいでしょう。もちろんそれを自分が達成できると信じられるのならですが。
ぼくも長期的には「それほんとにできるの?」というような目標を持っています。
しかし、次のテストの点数や今月のブログPV数などは、できるかできないかわからないようなぎりぎりの難易度にすることを心がけていますし、それによってモチベーションはいつも強く持続していますよ。