ジブンライフ

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利益も下ネタもあり?意外と知らない社会起業家についてわかる本

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病児保育の認定NPO法人「フローレンス」代表理事、駒崎弘樹さんの『「社会を変える」を仕事にする ― 社会起業家という生き方』を読みました。

駒崎さんが社会起業家になり、さまざまな困難を乗り越えていく様子が物語形式で描かれており、サクッと読めました。

社会起業家を扱っている本ということで、真面目な感じなのかなぁと思いきや、下ネタを含んだ笑いもあります。

この本を読むと社会起業家やNPOという存在に対しての認識が変わるかも。

僕はそのときまで知らなかったのだが、僕を受け入れてくれたホストファミリーは、モルモン教という、キリスト教のなかでも最も戒律の厳しい宗派の敬虔な信仰者だった。

「コーヒー・紅茶・お茶、全部カフェインが入っているから、あなたは飲んではダメ。お酒も私たちは飲まないの。タバコなんて発音するのも嫌な言葉だわ。デートは十六歳からならOK。でも結婚前のセ○クスは禁止よ。これは全部創立者ジョセフ・スミスの教えなの」

勘弁してくれ、ジョセフ*1

この一文は社会起業家に直接関わるものではありません。

しかし、社会起業家といういかにも高尚なイメージを持ってしまいがちですが、駒崎さんのこんな一文をみて、ぼくらと同じく下ネタを話す男性なんだなぁと身近に感じられました(もちろん素晴らしい信念や理念を持っているのですが)。

NPOはビジネス?

一瞬信じられなかった。そのアメリカのNPOのウェブサイトは、ウェブを作成する僕たちのITベンチャーのサイトよりも、格好よかったのだ。 プライドが踏みにじられる思いだった。当時、僕のなかではNPOはボランティア団体の延長にすぎず、それこそ素人が汚い格好をして汗をかきながら頑張っています! というイメージだった。そんな人たちに、時代の最先端をひた走る僕たちが敗北するなんて、そんなことはありえない。

NPO=ボランティアのような印象も持つ方もいるかもしれませんが、アメリカのNPOはビジネス的ですし、CEOやマーケティング担当者もいるのだとか。

マーケティングは、言ってみれば利益の拡大を目指してあれこれ手を打つわけなので、NPOとは真逆の世界で接点はないと思っていました。でも、今日駒崎さんのお話をうかがって、それは間違いだったとわかりました。

利益を出してもOK

NPO法人には株式という制度はない。NPO法人は、「特定非営利活動法人」という名称から、「儲けを出してはいけない」と誤解されることが非常に多いが、実は、儲けを出してもまったく問題はない。

そして、利益を出すことも決してダメなことではありません。

一方で、日本では「赤字だけど頑張っている」といったことが美徳とされ、社会貢献をして利益をあげるのはいけないと考えている人もいると感じています。

利益が第一ではない

だが、NPOは「儲けるために」存在している組織ではない。儲かるかどうかにかかわらず、社会問題を解決することを目的としている。だから資本金というものは存在しない。もっとも、株式会社だって資本金一円から起業できるため、法人設立のハードルは、株式会社もNPOも大差ない。 最大の違いは、株式が存在し、IPOや配当など株主へのなんらかのリターンが期待される株式会社に対して、NPOは、純然たる社会的価値が期待されるという点だ。

もちろん利益が第一ではありません。いかに社会に価値をもたらしているかが重視されます。しかし、利益と社会的価値は両立するはずなのです。

病児保育という問題を解決する

駒崎さんたちの「フローレンス」は病気のこどもを預かってもらうことができないという問題を解決するためにつくられました(幼稚園は病気のこどもを預かれないようです)。

最初はこどもを預かる敷設を作るという発想でしたが、いろいろあって子育て経験者のお母さんたちに協力してもらうという仕組みに変わります。

この発想が変わるまでの話が非常におもしろい。しかも料金設定はアダ○トビデオを参考にしていたり笑

利益を出すべきではないという文化がいけない?

日本では社会貢献というと、自己犠牲的に取り組むことが良いことだとされている雰囲気があります。この本のレビューにも「ビジネス的な視点ばかりだ」という批判がありました。

しかし、社会貢献をするときに利益を出していないかどうかは大切なのでしょうか。困っている人を助けているのであれば、結果として利益が出ているかどうかは問題ではないのではないでしょうか。

社会貢献が持続するのかという視点で見たときも、補助金がなければ成立しないより、利益が出ている状態のほうが好ましいといえます(ボランティアなどの存在はありますが)。

 
社会起業家は自己犠牲的・特別で高尚な存在であるべきという印象が、かえって社会起業家の誕生を難しくしている側面があるのではないでしょうか(フローレンスがそうした存在ではないといいたいわけではありません)。

誤解を恐れずに言えば、ぼくらが社会起業家に対して「儲けてもいい」「特別で高尚な存在でなくてもいい」と考えることで、社会起業家が存在しやすくなり、社会がよくなるなんて考え方もできるのです。

もちろんNPOである限り、儲けよりも社会的価値が優先されます。駒崎さんの言葉を借りればNPOは「素人が汚い格好をして汗をかきながら頑張っています! というイメージ」を抱く方も多いかもしれませんし、これも素晴らしいことでしょう。しかし、必ずしもこうした存在である必要はないとも言えるのです。

 
儲けと社会貢献については小倉昌男氏のスワンベーカリーの事例なんかも参考になります。

それから過疎地のご老人のための移動スーパー株式会社「とくし丸」も、地域の商店とも共存しつつ、利益も上げるといった点で、非常におもしろい存在です。

参考:移動スーパー「 とくし丸」は月収35万円を稼ぎ出すビジネスモデル

*1:オトナの事情により一部改変

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