ジブンライフ

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「目標」と「目的」の違いと行動につながる活用方法

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目的と目標の違いをあいまいに捉えている人が多い。

目的と目標は豊かな人生を送るために有用なツールであり、それを正しく理解せずに有効活用しないのはもったいない。

本記事では目的と目標の違いについて説明したうえで、それらを有効に活かすための具体的な方法についても解説する。

1.目的と目標の違い

違い① 目的は最終的に実現しようとするもの

目的は最終的に実現しようとするものである。

例として以下のようなものがあげられる。

  • 幸せな家庭を築きたい
  • 世界平和を成し遂げたい
  • 田舎でのんびりと暮らしたい
  • 幸せになりたい

このように、目的は人生を通じて成し遂げたいものを設定する。

違い② 目標は目的のための「目印」

目標は、目的を達成するまでの道にある目印である

例えば、目的が「幸せな家庭を築きたい」である場合、以下のような目標が考えられる。

  • 素敵な女性(男性)と結婚する
  • 子供を二人設ける
  • 年収600万以上稼げるようにする
  • 35歳までにマイホームを建てる

目標は、目的達成の途中にある目印であるから、目的よりも小さなものにするとよい。

違い③ 目的は変えてはいけない、目標は変えてもいい

目的は変えてはいけない

目的は、人生を通じて成し遂げたいものだから、簡単には変えてはいけない

ただし、「お金持ちになって幸せになりたい」という目的を持っていた人が、お金では幸せになれないと気づいたとする。

そのときは目的を変えることもあるだろう。

人生を通じて成し遂げたいものである目的を変えるということは、文字通り「人生の転機」だといえる。

目標は変えてもいい

目標は、目的が変わらないならば変えてもいい。

目標は目的の道の途中にある目印なのだから、目標を変えることは歩く道を変えるということである。

最終目的地が同じで、歩く道が変わるだけならば、それほど大きな問題はない。

「この道では目的地に到達することができない」ということがわかったときは、別の道から進めないだろうかと考えよう。

それが、目標を変えるということである。

 
書籍『GRID やり抜く力のなかで、著者は以下のように述べている。

「最初からうまくできなくても、何度も挑戦しなさい」
適切なアドバイスに聞こえるが、グリーンベレーではこう言っている。 「何度やってもだめだったら、他のやり方を試すこと」
ピラミッドの下位にある重要度の低い目標にはまさにそのような態度で取り組む必要がある(p.101)*1

違い④ 目的は抽象的、目標は具体的である

目的は抽象的でよいが、目標は具体的でなければいけない

ここまで紹介してきた目的も抽象的なものである。

  • 幸せな家庭を築きたい→「幸せな家庭?」
  • 田舎でのんびりと暮らしたい→「田舎?」「のんびり?」

しかしこれだけでは、どのようにして目的に到達すればよいのかわからない。

そのため、目印である目標は具体的に設定しなければいけない。

以下は、目的の抽象的な部分を具体的にしたものである。

具体的にしたものを、達成するための目標をたてればいい

  • 「幸せ」→妻がいて子供がいて、一緒に暮らしていて、収入は…
  • 「田舎」→人との繋がりがあり、生活には不便しない程度で、土地が安く…
  • 「のんびり」→週の労働時間は30時間で、余暇時間が1日3時間はあり…

違い⑤ 目的は少ない方がいい、目標は多い方がいい

目的は人生を通じて成し遂げるものであるから少ない方がいい

書籍『GRID やり抜く力』のなかで、アメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェットの、目的は5個までに絞れという助言が紹介されている。

目標を目的に読みかえて読んでほしい。

1.目標を25個紙に書き出す。
2.もっと重要な5つの目標にマルをつける(5を超えてはいけない)
3.残りの20には手をつけないようにする(p.94)

実際に目的を書き出してみて「目的を5つに絞る事なんてできない!」という人は、その目標をじっくりと眺めて、以下のことを考えて欲しい。

そうすれば、目的の数そのものを減らすことができるかもしれない。

  • その目的は他の目的と一緒にできないか
  • よく考えると、その目的は、他の目的の道の途中にある「目標」ではないか

逆に、目標は目印であるから多ければ多いほうがいい。

詳しくは後述するが、目標が多いと行動しやすく、モチベーションを維持しやすくなる

2.目的・目標の設定方法

2.1.目的は自分と向き合うだけ

目標設定理論はあるが、目的設定理論というものは存在しない。

そもそも「よい目的」の定義など存在しないから、自分が人生を通じて成し遂げたいと納得感を持てるものを自分で探す必要がある。

本サイトでは、その助けになる記事を多数公開しているため、ぜひ参考にして欲しい。

2.2.目的のなかに目標を書いていく

目標は行動に落とし込めるまで、細かく書いていく。

目的が一つあったら、その一つに対して目標を立てる。その立てた目標に対して、さらにいくつもの目標を立てる。

「目的:幸せな家庭を築く」→「目標:年収600万円以上」→「目標:出世する」→「目標:出世のために知識をつける」→「毎月1冊は本を読む」という具合である。

図にすると以下のようになる

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2.3.目標はモチベーションを維持するためのツールである

目標はモチベーション維持するためのものとして取り上げられることも多い。

目標を適切に設定することで、モチベーションを維持することができるからである。

「仕事の知識をつける」という目標では漠然としていて、何かをやろうというモチベーションにはつながらない。

「毎月本を1冊読む」という目標ならば、本を読もうというモチベーションが生まれる

目的があって、目標を立てたのにモチベーションが続かないというときは、目標を見直してみるとよい。

2.4.目標は定量的にする

目標は具体的であるほうがいいと述べてきた。

目標を具体的にするためには、定量的にするのがよい

定量的とは「数字で測ることができる」という意味である。

「本をたくさん読む」よりも「 ”毎月” 本を”1冊”読む」という目標のほうが、行動につながりやすく、定量的であるため目標を達成できているか判断しやすい。

 
G.T.ドランという学者が提唱した「SMARTの法則」が参考になる。

  • 具体的である(Specific)
  • 測定可能である(Measurable)
  • やりたくなるものである(Attractive)
  • 現実的である(Realistic)
  • 期限が明確である(Time-related)

参考:正しい目標の立て方は「SMART」で考えること

2.5.目標は”ほどよい”高さにする

心理学者ロックが提唱した「目標設定理論」と心理学者アトキンソンの提唱した「達成動機理論」は、双方とも「簡単な目標よりも高めの目標が好ましい」と一致した意見を持っている。

しかし、目標設定理論では、目標はどんなに高くてもよいとする一方で、達成動機理論では高すぎる目標は効果的ではないとしている。

私は目標は”ほどよい”高さにするべきであると考えている。

人は目標を達成できると信じているから、モチベーションを高めることができる。

高すぎる目標を設定し、「この目標は達成できないだろう」と思ってしまった時点で、目標はモチベーション維持装置として機能しなくなってしまう。

そのため、目標は自分が達成できると信じられる高さのものが好ましい。

参考:目標設定の秘訣はできるかできないか微妙な難易度にすること

3.ダメな目的と目標の例

次に、ダメな目的と目標の例をあげる。

「こうしたらいい」よりも「こうしてはいけない」という方がわかりやすいこともあるからである。

3.1.目的でなくて目標

慣れないうちは目的と目標の区別が付きにくい。

  • 目的:年収1000万を稼ぐ

収入を目的にする人多いが、目的としてはよくない。

年収1000万を稼ぐだけで人生に満足できるだろうか?

実際にはお金を稼いで何かに使ったり、年収1000万を稼いでいるという名声が目的だったりするはずである

  • 目的:美女と付き合いたい→目標:年収1000万を稼ぐ→目標:出世する…

という具合に目的を設定するのがよいだろう。

3.2.目標の先に目的がない

一時的なモチベーションで「目標」を立ててしまうとモチベーションが続かない。

例えば、ダイエット番組に触発されて、

  • 目標:痩せる

という目標を立てても、痩せることでどうなりたいのかという目的を明確に考えないことがある。

「なぜ自分は痩せたいと思うのか」を考える必要がある。

  • 目的:素敵な男性(女性)と付き合いたい→目標:痩せる→目標:毎日運動をする…

このように、目標を立てるのであればその先にある目的も明確にしなければならない

 
また、女性が、「男性にモテるために痩せる」のと、「自分に自信を持つために痩せる」という目的を持つ場合とでは目標が変わる

男性が理想とする女性の体型と、女性が理想とする女性の体型は異なるからである。

参考:女性と男性が思い描いている女性の理想体形の違い - GIGAZINE

 
このように、目的を明確に定めなければ、「痩せるという目標を達成したのに満足できない」ということも起こりうる。

3.3.目標が具体的、定量的でない

繰り返しになるが、目標は具体的、定量的でないと効果を十分に発揮できない

テストの点数が悪かったらといって、「明日から勉強を頑張る」という目標を立てても、具体的ではない。

「明日から教科書を読む」とするべきである。

しかし、上記の目標は定量的ではなく、目標を達成できたか判断しにくく、モチベーションにつながらない。

そのため「明日から、毎日、教科書を3ページ読む」とするべきである。

3.4.目標が細かくない

前述したように、上位の目標の下に、中位の目標、下位の目標と細かく目標を設定したほうが行動につながりやすい

「プロの漫画家になる」という目的に対して、「漫画を商業出版する」という目標だけで、モチベーションを維持し、行動に移すことができるだろうか。

「毎日、1枚の絵を描く」「規格を毎日1本考える」というレベルにまで目標を落とし込んだほうが良い。

4.まとめ

目標と目的には定義された言葉の意味はあるものの、どう使うかはあなたの自由である。

何かを成し遂げるためのツールとして、 目的と目標を有効活用して欲しい。

本記事ではその有効活用の1つを紹介した。

とはいえ、目標と目的の効果的な活用方法は長い間研究されてきているため、自己流ではなく、これまで積み上げられてきた方法を参考にするのがよいだろう。

本記事の内容が、何かを成し遂げる助けになることを願っている。

*1:アンジェラ・ダックワース(2016)『GRIT やり抜く力』神崎朗子訳 ダイヤモンド社

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