片付けられない人が知っておくべき考え方
本日はKindle本、たっくさん著『必要十分生活』の内容に触れながら「片付けられない人が知っておくべき考え方」について説明します。
片付けのテクニックというよりは、片付けをするうえで知っておくといい思想や考え方などが主です。
片付けの方法はたくさん知っているけど上手く出来ないという人には、特に役立つかもしれません。
考え方や思想という土台の上に行動力があって、それらがあるからこそテクニックが役立つといえます。
そんな土台となりうるような考え方を今回はご紹介しましょう。
- なぜ片付け本を読んでも片付かないのか
- 絶対的な方法はない
- そもそもなぜ片付けるのか:物が多いと不幸になる
- 自分に合わないやり方はしない
- 自分の領地だけを統治する
- 極端なミニマリストは女子大生に引かれるかもしれない
- オマケ:簡単にできる3つのおすすめテクニック
- まとめ
なぜ片付け本を読んでも片付かないのか
片づけ本を読んでも片付かないというのはよくある話です。億万長者の自己啓発本を読んでも億万長者にはなれないのと同じことだといえます。
ただ、片づけ本においては、以下のような原因があるのではないでしょうか?
ライフスタイルは人それぞれ異なる
片付けというのは人それぞれのライフスタイルに寄り添うものです。
ですから、片付け方法のセオリーはあるものの、ライフスタイルによって微妙に異なるといえるでしょう。
(片付け本を読んでも片付かない理由は)「その本に書いてあることが解決になっていない」というものです。ライフスタイルは人それぞれ、想像以上に異なっています。
知識やテクニックよりも実行力が大切である
身も蓋もないことですから、本などにはあまり書かれませんが、どんなに知識やテクニックを身につけたところで実行力がなければ意味がありません。
片付けができない大抵の人には実行力が欠けています。片付けをするなら、その行動を確実に実行できるような仕組みや覚悟が必要です。
企業の話になってしまいますが、『隠れた人材価値』では「優秀な企業」と「ダメな企業」の差は「優れた理念(考え方)」を実践できるかどうかにあると述べています。
片付けに置き換えて考えるならば、片付けテクニックを知っているかではなくて、それを実行できるかにかかっているということ。
当たり前ですし、そんなお気軽な主張はアドバイスになっていないと思うかもしれませんが、実際のところ真理ではありませんでしょうか?
世の中の「できる人」と「できない人」の差は、突き詰めれば実行力の差であると考えられるでしょう。
絶対的な方法はない
本書に書いてあるルールを私は一つずつ試してみて、改良を加えています。今も改良中です。住む場所が変わったり、自分が置かれている状況が変わると、その都度新しいルールを作って試すことを楽しんでいます。
本を読んでいると、「これをすれば絶対にうまくいく」という方法を探してしまいますが、なかなかそんなものは見つかりません。
『必要十分生活』では様々な方法を試行錯誤し、少しずつ改善していったといいます。
逆に言えば、この本に書いてある方法は絶対的なものではないということです。本書からもわかりますが、著者も環境が変わればまた別の片付け方法を提唱することでしょう。
このように、片付けにおいて絶対的な方法はなく、自ら頭を働かせて少しずつ改善を加えたり、自分に合うようなものにしていく必要があります。
この生活を一年、二年と続けていくと、面白いことに少しずつ上手になってきます。片付けにありがちなリバウンドは、私の経験では、起こりにくいです。試行錯誤から自分なりのルールを作り、それを実践することでベストな状態が維持されるのは、かなりの知的興奮があります。
試行錯誤や改善はやりがいがあり、とても楽しいものになることもあるでしょう。
そもそもなぜ片付けるのか:物が多いと不幸になる
そもそもなぜ片付ける必要があるのかを考えてみる必要があります。
基本的には、物が多いほうが豊かで幸せであると信じられていますし、必要不可欠なものがなければ困ることは間違いありません。
基本的には物が多すぎると不幸になるからというのが片付けをする理由でしょう。
不要なものがあると不幸になる原因として以下のようなものがあげられます。
そのようなものは、見るたびに一瞬ですが「ああ、これをどうしようかな」という気持ちになり、少しずつあなたの元気を奪っていきます。そして、本当に大切な人に優しくしたり、一緒に楽しく過ごす時間や余裕を奪っていきます。
人は一瞬一瞬のうちに判断をしていますが、物が多すぎると判断回数が増え、ストレスを感じてしまうということです。
他にもまとめ買いに関して以下のように書かれています。
Aというボールペンを買うときに、よく使うものだからといって3本まとめて買ったとします。しかし、そのあと偶然にBというボールペンの使い心地が非常に良いことを知ってしまったとしたら、どうでしょう。Aを使っている間ずっと、「Bのほうが良かったな」と思ってしまい、ストレスが溜まります。途中でBを買ってしまったら、もう二度とAを使うことはないでしょう。
片付けをすると幸せになれると直接的に証明するものは知りませんが、「選択肢」と幸福に関しては明確な研究があり、その関係性が認められます。
物が多いということは選択肢が多いということ。つまり片付けをすることで選択肢が減り、それによって私たちは幸せになれると考えることが出できます*1。
これは片付けをする十分な理由になるでしょう。
自分に合わないやり方はしない
『必要十分生活』には「思い出は思い出して楽しむ」という項目があります。ただし、以下のような注意が最後に書かれているのです。
もちろん、思い出は捨てられないというかたは、ずっと大事にされていても良いと思います。私の方法をご参考に、皆さんなりの思い出の楽しみ方を考えてみてください。
たとえ本に書いてあるからといって、自分に合わないやり方を無理して実行する必要はありません。
幸せになるために片付けをしているのに、片付けによってストレスを感じていては元も子もないでしょう。
ぼくは基本的に思い出の品は捨てないことにしています。彼女からもらったメッセージや手紙は、お菓子の箱に書かれた些細なものまでファイルに保存しています。ちょっとキモいですね。
極端なチェック方法
第一の確認方法は、毎日の生活で使っていない物の保管です。たとえば書類、今現在ローテーションに入っていない衣類など、普段目につくところに出していないもの全てです。これら全てのものが、今持っているスーツケースに収まらない場合は、余計な物が多すぎます。
よく片づけ本で見かけるのが、スーツケースに入るかどうかで不要なものが捨てられているかチェックする方法。
この方法は、たまにやり過ぎであると批判されています。スーツケースに入るくらいの物の量が自分にとって適切かどうかは、人によって異なるでしょう。
やはりこうした方法もそのまま受け入れるのではなく、「自分にとってどうかな」と考えてみるとよいでしょう。
自分の領地だけを統治する
気づいた方もおられるでしょうが、本書を通じて、キッチン周りやリビングのお話はしていません。キッチン周りは妻の領域であり、そこに口出しをすることは相手の領域を侵すことになるからです。
どんなに優れた政策でも、勝手に他の国でやったら当然怒られます。
片付けを徹底的にするとしても、他人の部屋や共有スペースなどは配慮が必要でしょう。
これでケンカをしてしまってはやはり本末転倒です。ケンカはストレスになります。
極端なミニマリストは女子大生に引かれるかもしれない
徹底的に不必要なものは持たないようにするというミニマリスト。
先日、友人にミニマリストの部屋の写真を見せる機会があったのですが、やはり新しい価値観であるために「ありえない」「やばい」と引かれてしまいました。
ミニマリストはそうした世間の目に惑わされず、自分を貫くという点にも大きな価値があるのですが、やはり女子大生だけでなく、周囲の人たちの評価が極端に下がるのも考えものではないでしょうか。
特に一緒に生活するパートナーから「一緒に生活できない」と言われてしまうことは好ましくないでしょう。
自分を徹底的に貫くという手段も間違ってはいませんが、一般的に推奨されるのは周囲の人と折り合いをつけながら自分自身がしたい片付けをしていくことです。
オマケ:簡単にできる3つのおすすめテクニック
今回は片付けテクニックよりも大切なことがあるんだという話をしましたが、決してテクニックが不要だといっているわけではありません。
それほど実行力がなくても、簡単に実践できるおすすめテクニックを3つだけ紹介します。どれもそれほど効果が大きいものではないかもしれませんが、それゆえ簡単にできるものばかりです。
- 映画の半券:スマートフォンで写真をとって、その場で捨てる
- 商品を買った時のレジ袋:3袋をめどに保存して、残りは捨てる
- 会員証、ポイントカード:一年以上行ってないところのものは捨てる。作らなくて良いのなら、初めから作らない
ぼくはレジ袋をために溜めこんで、約100枚を大きなケースに入れ、押し入れを占領させていました。
ですが、溜まっているということは使っていないということですから、思い切って3枚を残して捨てました。今のところ困ったことはありません。
レジ袋にゴミを入れて捨てたとしても、次に買い物したときに勝手に増えるので大丈夫です*2
まとめ
- 片付け本を読むだけでは片付かない
- なによりも優れた「実行力」が大切である
- こうすればいいという絶対的な方法はない
- 物が多いと不幸になることは科学的にも推測できる
- 自分に合わないやり方はしない
- 他人の部屋を無理やり片付けてはいけない
- 周囲の人と折り合いをつけながら片付けをする
今回は片付けに関する思想や考え方についてお話しました。
結局のところ、片付けは「テクニック的には簡単なんだけど、行動力の面でなかなかできない」ものなのではないでしょうか。ぼくも最近は現状維持だけで満足しがちです。
すぐに片付けができるという内容ではありませんが、必ずこうした考え方は片付けをするうえで大切な土台になってくれると思います。